米連邦準備制度理事会(FRB)が直近で行った発表はまだ、主要な米国債利回りに大きな変化をもたらしていない。その理由の一つは、銀行側の都合によるものかもしれない。クレジットカード残高の返済が急速に進むなど、消費者や企業からの借り入れが減少する中で、銀行は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で受け入れた大量の預金を運用する別の方法を探し出す必要に迫られている。多くのアナリストは、こうした資金の多くが米国債市場に流入し、長期利回りの抑制につながっているとの見方をしている。TD証券のストラテジストがまとめた政府データによると、銀行の国債保有残高は年初から4350億ドル(約49兆4000億円)増え(11月末時点)、過去最高を記録した。これは大幅に伸びた2020年通年の増加分を50%近く上回っている。住宅ローン担保証券も、銀行からの購入による恩恵を受けている。
旅行支出、米国債利回りにどう影響する?
銀行のローン残高が大幅に増えれば、長期債利回りに上昇圧力がかかる可能性
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