コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は大成建設、鹿島などの「ゼネコン」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
ゼネコン4社中3社が増収
清水建設は前年同期比減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のゼネコン業界4社。対象期間は21年7~9月期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・大成建設
増収率:6.0%(四半期の売上高3449億円)
・鹿島
増収率:6.5%(四半期の売上高5023億円)
・大林組
増収率:5.8%(四半期の売上高4627億円)
・清水建設
増収率:マイナス10.9%(四半期の売上高3290億円)
※4社とも収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
ゼネコン業界の4社は3社が前年同期比増収、清水建設が2桁の減収だった。清水建設が減収に陥った要因とは何だったのか。またそこから浮かび上がるゼネコン業界が抱える課題とは。
次ページで詳しく解説するとともに、各社の増収率の推移も併せて紹介する。