街も気持ちも華やぐ年末年始に水を差したクリスマスケーキやおせち料理などの相次ぐ値上げ……。原因は、世界的な原油高や生産財の需要急増による原材料費の高騰です。こうした傾向の長期化は、消費財を扱う企業の業績悪化を招きかねません。企業は価格や商品政策において、どんな手立てを講じれば良いのでしょうか。(グロービス ファカルティ本部テクノベートFGナレッジリーダー 八尾麻理)
文具から食品まで
消費財の値上げラッシュ
2021年12月、クリスマスやお正月などのハレの日の品がじわりと値を上げていたのをご存じでしょうか。それだけではありません。文具、家具、食パン、冷凍食品……これらは全て、22年1月ないしは2月に値上げが予定されている商品です。身近な生活必需品にも、値上げの波が広がりつつあります。
背景には、コロナショックから経済回復へ向かう世界的な需要の拡大によって原材料価格が上昇していることや、原油価格の高騰とそれに伴う輸送コストの上昇などがあります。