筋トレというと、体力づくりや見た目を整えるためのものと思われがちだ。だが、圧倒的な成果を出し続ける「できる人」は、筋トレに別の意味を見出している。ハイパフォーマーたちが筋トレを最優先するのはなぜか。医師で老年医学、栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオンによる『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』の知見をもとにその理由に迫る。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)
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「自己規律」を鍛える
ビジネスの世界で圧倒的な成果を出し続ける人々は、例外なく自己管理能力に長けている。彼らが共通して「身体の管理」、とりわけ筋力トレーニングに貴重な時間とエネルギーを投資するのはなぜだろうか。
彼らが筋トレを優先するのは、単に見た目を整えるためではない。筋肉を鍛えるというプロセスそのものが、目標を立て、それを着実にやり遂げる「自己規律」を鍛える訓練になっているからだ。
医師で老年医学、栄養科学の専門家でもあるガブリエル・ライオンの著作『筋肉が全て』は、現代人が陥りがちな「身体を動かさない生活」という静かな怠惰が、いかに健康と人生の可能性を損ねているかを冷徹に指摘している。
高いパフォーマンスを誇るプロフェッショナルは、身体活動の低下が脳機能を鈍らせ、自らの知的生産性を著しく引き下げるリスクを理解している。だからこそ、多忙な日々の中にトレーニングを生存の必須条件として組み込むのだ。
小事ができるから大事を成し遂げられる
しかし、彼らにとって重要なのは運動そのものがもたらす生理的恩恵にとどまらない。トレーニングという一貫した「日々の小さな実行」が、そのままビジネスにおける「大きな達成」を支える精神的土台となる。著者は、心身をコントロールするスキルの本質を次のように説く。
計画を立て、骨格筋を鍛え、精神を鍛えるスキルは、理想の人生を実現するためのスキルにほかならない。――同書より
スケジュールを管理し、身体に負荷をかけ、限界の一歩先へと進む。これらの日常的な小さなルーティンを妥協なくやり遂げる習慣こそが、困難に直面した際の圧倒的なレジリエンス(回復力)と、一貫した行動力を生み出すのである。
明日に先延ばしせず、今この瞬間に最良の選択を積み重ねること。その自律的な行動だけが、仕事と人生の成果を決定づける。
今日、自分の身体のためにどのような選択をするか。私たちはいつでも、現在の安易な快適さを取るか、未来の卓越した成果を取るかの岐路に立たされている。その日々の小さな決断の積み重ねが、やがて他者との大きな差となって現れるのだ。
医師(DO)
イリノイ大学で栄養科学の学部課程を修了後、セントルイス・ワシントン大学において老年医学・栄養科学の臨床・研究フェローシップを修了。健康、パフォーマンス、老化、疾病予防におけるタンパク質の種類および摂取量の実践的応用に関する分野の専門家、教育者として活躍している。筋肉についての最新研究を網羅した本書は全米で大きな話題を呼び、ニューヨーク・タイムズベストセラー、ウォール・ストリート・ジャーナルベストセラー、USAトゥデイベストセラーとなり、世界各国での刊行が続いている。







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