売るなら、M社。
長い上ヒゲをつけた陰線
M社の直近の週足は、「長い上ヒゲをつけた陰線」です。上昇してきた株価が、下げに転換する可能性を示唆する形です。(関連記事:【図解で納得】ローソク足の見方とは? 相場を読むための基本5パターン)
ここで、売り手と買い手の間でどのような戦いがあったのか、振り返りましょう。
先に動いたのは買い手でした。買い手は、4週続けて上がってきた株価を見て、「ここから、さらに大きく上がりそう」「今のうちに、たくさん仕込んでおこう」と考えて買いを大幅に増やしました。
株価は強引な買いで一時1500円まで急騰します。
ところが、そこで買い方はおおかた予定の株数を買ってしまったと考えられます。あるいは、何らかの悪材料が出たのかもしれません。上昇した株価を見て売り手が売りを増やすと、なんの抵抗もなく株価はあれよあれよという間に下がってしまいました。
高値で大量に買い付けた買い手は、たちまち含み損を抱え、買いが失敗であったことに気づきます。今後、損切りの売りを出す可能性があります。
長い下ヒゲをつけた陽線
N社はその逆です。じりじりと下がり続ける株価を見て、N社株をたくさん保有する投資家があせって大量に売ってきたと思われます。
一時500円まで急落しました。ところが、それで売りはほぼ終わったと考えられます。底値買いを狙う買いが増えると、株価はあれよあれよという間に急反発しました。その結果、「長い下ヒゲをつけた陽線」が出ました。
(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)