昨年1月6日、米大統領選の結果を覆そうと、ドナルド・トランプ前大統領の支持者らが連邦議会議事堂に乱入した。このような国家の恥とも言うべき事件が起これば、結果として次の二つの展開を想定するのは妥当だろう。まず共和党内でのトランプ氏の圧倒的な影響力が低下する。次にトランプ氏が主張する選挙不正の虚構が持続力を失う。事件からちょうど1年が経過するが、いずれも現実のものとはなっていない。それどころか、ある意味では正反対のことが起きている。トランプ氏は隠居先であるフロリダ州の別荘「マールアラーゴ」から、自身の政治活動委員会(PAC)向けに巨額の資金を集めている。自身の見解に同調する共和党候補には支持を表明し、異議を唱える者を脅している。