米国とメキシコの国境地帯での大混乱は、ジョー・バイデン米大統領の支持率低下の一因だ。それにもかかわらずバイデン氏と、同氏が国境問題の指揮官に指名したカマラ・ハリス副大統領は、対策を打ち出す機会を逃し続けている。  「リメイン・イン・メキシコ」政策(通称メキシコ待機政策)を破棄しようとしていることは、こうした自己破壊的対応の最新例だ。この政策は、難民申請を行っている移民希望者の一部をメキシコに送り返し、彼らの申請内容に関する審理が進められている間はメキシコにとどまらせるというものだ。