検認は必ずしないといけないの?

「私たちの家族は仲がいいので、遺言書の偽造なんて絶対ありません。それでも検認はやらないといけませんか?」

 このような質問を受けることがあります。

 答えは、家族仲が良くても検認は絶対に必要になります。

 法律上、検認手続を怠った者には5万円以下の過料に科せられるという決まりになっています。ただ、法律で義務づけられているからというより、検認をしないと自分たちに困ることがあります。

 それは遺産の名義変更のときです。自筆証書遺言によって銀行口座や不動産の名義変更をする際は、遺言書とセットで検認手続を受けたことを証明する、検認済証明書の提出が求められます。これがないと、名義変更はできませんので、結局、検認は必要になるのです。

 わずらわしい検認手続は、遺族の負担を増やしてしまいます。その点、公正証書遺言や、自筆証書遺言の法務局保管制度を使えば、検認が不要となりますので、オススメです。
(本原稿は、橘慶太著『ぶっちゃけ相続「手続大全」ーー相続専門YouTuber税理士が「亡くなった後の全手続」をとことん詳しく教えます!』を編集・抜粋したものです)