米国の都市では殺人事件の大幅な増加が続いている。各地の警察や市長室は2021年の犯罪統計をまとめ、銃による暴力に歯止めをかけるための22年のプログラムを立ち上げている。いくつかの都市では昨年、殺人事件が過去最多を更新した。ペンシルベニア州フィラデルフィア、オレゴン州ポートランド、ケンタッキー州ルイビル、ニューメキシコ州アルバカーキーでは死者数が過去最多となった。米国で6番目に大きな都市であるフィラデルフィアで起きた殺人事件は562件と、それまでで最多だった1990年の500件を上回った。凶悪犯罪が急増している理由については、犯罪学者や地元の法執行当局者の間で見解が分かれている。一部では新型コロナウイルスの感染拡大によるストレスが挙げられている。また、警察官が黒人のジョージ・フロイドさんを死亡させた事件などを受け法執行機関と黒人コミュニティーの関係が悪化しているとの指摘もある。さらに、保釈保証金制度の改定や一部の都市での起訴件数減少を非難する声もある。