現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
この世のほとんどは「グレー」
「白か黒かハッキリしてほしい」という意見をよく聞きます。
ディベートのように「立場が準備された場所」であれば、どちらかの意見に100%同意し、もう一方の意見に100%反対をする立場をとります。
ただ、日常生活では「100%」という場面にはなかなか遭遇できません。なぜなら、この世の大半のことは「グレー」だからです。
この事実を受け入れておかないと、考え方が偏ってしまって「生きづらさ」を抱えてしまうと思うので、その特徴について見ていきましょう。
「不完全な二択」で考える人
僕はよく、「Aか、Bか、選んでください」という質問を相手に投げかけます。これは、反対の立場の気持ちをわからせる効果があります。
思考実験として「持ち家か、マンションか」を選んだり、「都会か、田舎か」を選んだりして、相手のメリットや自分のデメリットを考えさせることができるんです。
ただ、この方法は「問題の設定」が難しかったりします。「完全なる二択」である場合と、「不完全な二択」である場合とがあるからです。
「不完全な二択」とは、次のような例です。
「私は今、正社員として興味のない仕事をしています。やりたいことはアートに関することで、趣味で絵を描きたいと思っています。『アートを諦めて正社員を続けるか、アルバイトをしながらアートをやるか』。どっちのほうがいいでしょうか?」
いかがでしょうか。どこが間違っているか気づきますかね?
「どっちも取る」という第三の選択
この人が間違っているのは、「正社員をしながら絵を描く」という道を諦めていることです。
そんなに絵を描きたいのであれば、正社員を辞めなくても、夕方以降の時間帯や土日を使って絵を描いているはずです。それなのに、それをやっていない。
百歩譲って、生活保護をもらったり、実家で親のお金で暮らしながら絵だけに専念したいのなら話は変わってきます。ただ、アルバイトをしながらなのであれば、どうして正社員を諦める選択肢が出てくるのでしょうか。
極端な考えをする人は、すべての物事をトレードオフで考えすぎています。カレーとラーメンをどうしても両方食べたいのであれば、2つを頼んで食べられるだけ食べればいいんです。お腹がいっぱいになったらどちらも残せばいいし、案外、どちらも完食できることだってあります。
そうやって、第三の選択ができる人のほうが、人生は楽しんで生きていけると思います。自分で自分を苦しめるような選択肢をつくるのではなく、もうちょっと自分に甘くなってもいいのではないでしょうか。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、40万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。