「調子いい」と言われることを恐れない

　ほめることを躊躇（ちゆうちよ）する人が、その理由としてよく挙げるのが「調子がいい人だと思われそう」「口だけのおべっか使いみたいに受けとられたら困る」です。

　実際、僕も誰かをほめた時によく言われます。

　でもそもそも、「調子がいい」ってアカンことでしょうか。むしろ「ええこと」だと僕は思っています。みんな、もっと調子よくやりましょう。

　調子乗りでいこう！

　だって、ほめて、相手をだまして、それでお金をとってやろうとかいう話ではないですからね。ただ、相手を喜ばせたいという一心。好きだという気持ちを伝えたいというひたむきな心。その上に立っての「ほめる」ですから、堂々とほめましょう。

　お金を引っ張るのはサギですが、心を引っ張るのは、やさしいサービス精神です。

【著者からのメッセージ】
　こんにちは。ゴゴスマの石井亮次です。

「ゴゴスマ～GOGO! Smile～」は現在10年目を迎えている平日午後の情報番組、僕はその司会を番組がスタートした2013年以来ずっと務めています。今でこそ、ほぼ全国の皆様にご覧いただけるようになりましたが、最初のスタートは東海ローカル。企画・制作は名古屋に本社のあるCBCです。これは、全国展開を果たした今も変わりません。月曜日から金曜日まで、名古屋のスタジオからみなさんにお届けしています。

「しゃべる」仕事を長くやっているというと、「会話が得意なんだろうな」「もともと上手にしゃべれるんだろうな」と思っていただけるようですが、実は、最初のうちは、決して「得意」でも「上手」でもなかったんです。ただ、とにかく「好き」ではありました。何が好きかと言うと、誰かと話すこと。話している相手が喜んで、笑ってくれること。その場になんとなく「楽しい空気」ができること

　本書は「これが、究極の会話術だ！」というようなものではありません。それよりも、会話によってみんなに楽しい気持ちになってもらう。「今日は楽しかったな」って思ってもらうことを目指します。そうなれば、結果的に自分も楽しくて、かつ、相手から「好き」になってもらえるかもしれない。少なくとも、嫌われることはないし、敵をつくらずに済みます。それって、すごく「お得！」ですよね。

　楽しい空気をつくるために、その場のみんなに楽しい気持ちになってもらうために、僕がどんなことを考えてどう行動しているかを「ここまでホンネで言うて大丈夫？」と自問しながらもまるごと書き出しました。もし、少しでも心が動いたら、どうぞどこからでも真似してみてください。

　一緒に世の中を「楽しく」できたら最高です。