【Twitterフォロワー数52万人、YouTubeチャンネル登録数52万人】と、今どきのママパパに圧倒的に支持されているカリスマ保育士・てぃ先生の子育てアドバイス本第2弾『子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て○×図鑑』ができました!
子育ての悩みは、決して親の能力や愛情の深さの問題ではなく、子ども特有の気持ちやものごとのとらえ方、体の状態を知るだけでうまくいくことが多いと、てぃ先生は教えてくれます。
この連載では、「てぃ先生が実際に試して効果のあった伝え方」や「保護者が絶賛した斬新なテクニック」を厳選。「子育ての困った」が「成長」に変わるコツをお伝えしていきます。(2023年6月2日にタイトルを修正しました)
子どもの心に
ずっと残る、支えになる!
0円であげられるごほうび
「テストで100点取れたら、ゲームを買ってあげる」「お手伝いをしたら、100円あげる」と、子どもに何かさせたいときに「ごほうび」をあげることがあると思います。でも「ごほうびで釣っていいのかな」「毎回あげちゃってるけど、大丈夫かな」と、いろいろ悩みますよね。
サプライズごほうびが最強
じつは心理学の研究で、ごほうびによって、かえってやる気をそいでしまう場合があることがわかってきました。
たとえば、スタンフォード大学のマーク・レッパー博士が行った実験があります。この実験では子どもを3つのグループに分けました。1番目のグループは「上手にお絵かきできたらごほうびをあげる」と事前に伝え、あとでごほうびをもらったグループ。 2番目は、ごほうびの存在は隠したままお絵かきをして、終わったあとに「じつはごほうびがあります」と、サプライズでごほうびをもらったグループ。
3番目は、ごほうびがあることを伝えず、ごほうびをもらわなかったグループです。
結果、「サプライズでごほうびをもらったグループ」「ごほうびをもらわなかったグループ」は、その後もお絵かきを楽しんでいました。一方、「事前にごほうびがあると知っていて、ごほうびをもらったグループ」は、その後、今までの半分の時間しかお絵かきを楽しまなかったそうです。
これを「アンダーマイニング効果」といって、ごほうびが目的化した結果、当初の行動に対して興味関心ややる気が薄れてしまうことをいいます。さらに怖いことに、ごほうびを使って、やりたくないと思っていることを無理やりやらせていると、子どもが指示待ち人間になりやすいと言われています。
この実験から、どうしてもごほうび形式で子どものやる気を上げたい場合は、サプライズのほうが効果的なので、お子さんがやるべきことややってほしいことをできたら、あとからサプライズで渡してあげるといいと思います。
結果よりプロセス
もうひとつ気になる報告があります。ニューヨーク大学のサム・グラックスバーグ博士の研究で、結果や成果に対してごほうびをあげるとやる気が下がるけれど、プロセス、つまり過程や努力に対してほめたりごほうびをあげると、やる気がアップすることがわかりました。たとえばお片づけや宿題なら、「やったらあげる」ではなく、「お片づけをがんばっていたあなたの姿が素敵だった」「宿題に一生懸命取り組んでいるのがよかった」と、努力や取り組む姿勢をほめたり、それに対してごほうびをあげたりするんです。ごほうびは、もちろん欲しがっていたおもちゃやお菓子でもいいんですが、物はもらったら終わりになりがちです。でも、「がんばっていて、とても素敵だったよ」「努力している〇〇くん、かっこよかったよ」といった言葉は、ずっと心に残って、その子の支えになっていくと思います。ぜひ、そういった言葉をたくさんかけてあげてください。
本原稿は、てぃ先生著『子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て○×図鑑』からの抜粋です。この本では、ママパパの子育てが楽しくなって、子どもの「困った」が「成長」に変わるコツを紹介しています。一緒に楽しく、子育てしてみませんか?(次回へ続く)
関東の保育園に勤める男性保育士
保育士として勤務するかたわら、その専門性を活かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演は年間50回以上。
他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。
ちょっと笑えて、かわいらしい子どもの日常についてのつぶやきが好評を博し、Twitterフォロワー数は52万人を超える。子育てのハウツーを発信しているYouTubeも大人気。
著書は『子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』(ダイヤモンド社)、『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(ベストセラーズ)、コミックほか多数。