【Twitterフォロワー数52万人、YouTubeチャンネル登録数48万人】と、今どきのママパパに圧倒的に支持されているカリスマ保育士・てぃ先生の子育てアドバイス本第2弾『子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て○×図鑑』ができました!
子育ての悩みは、決して親の能力や愛情の深さの問題ではなく、子ども特有の気持ちやものごとのとらえ方、体の状態を知るだけでうまくいくことが多いと、てぃ先生は教えてくれます。
この連載では、「てぃ先生が実際に試して効果のあった伝え方」や「保護者が絶賛した斬新なテクニック」を厳選。「子育ての困った」が「成長」に変わるコツをお伝えしていきます。(2023年6月2日にタイトルを修正しました)

てぃ先生の<br />今日からできる! 3分でも効果絶大!<br />物覚えがいい子になるスゴ技とは?Photo: Adobe Stock

「終わったらママとパパに
教えてね」の時間を作る

 お勉強でもしつけでも、言われたことをパッと覚えてすぐ実行できる子もいれば、反対になかなか覚えられない、という子もいますよね。長年たくさんのお子さんを見ていると、物覚えのいい子はここが決定的に違うというポイントがあります。それは「物覚えのいい子は覚えようとする時間が少ない」ことです。

 脳科学の研究によると、僕たち人間の脳は、いらない情報や使わない記憶はどんどん忘れて、頭のはしっこのほうに追いやってしまう、という性質をもっています。

 ですから、子どもに何かを覚えてほしいと思うのであれば、それがその子にとって必要という認識をもってもらうことが大事になるわけです。つまり、重要なのは「覚える」ことではなくて「使う」こと

記憶定着には、実践7割

 これを立証するおもしろい実験があります。コロンビア大学のアーサー・ゲイツ教授という方が、小学生から中学生まで100名以上の子どもを対象に、こんな実験をしました。

 実験の内容は、ある文章を子どもたちに暗記してもらい、そのあとでそれを暗唱してもらうというものでした。これをグループごとに、「記憶する時間」と「暗唱の練習をする時間」の比率を変えて比較したんです。

 結果、もっとも高いスコアを出したのは、「記憶する時間」が3割、「暗唱の練習をする時間」が7割のグループでした。つまり、記憶の定着には、記憶する時間よりもそれを実践する時間のほうが重要だとわかったのです。

 実際、保育園の子どもたちを見ていても、それを感じることが多いです。たとえば折り紙で手裏剣や紙飛行機を折りましょうというとき、いちど教えてもらっても覚えられないと、「ねえ、もう1回教えて」「あとは先生が作って」という子が多いんですけれども、いわゆる物覚えが早い子たちを見ていると、とにかく折り始めちゃうんです。で、折ってみてわからなかったら、「ここどうやって折るんだっけ」と聞きに来て、教えると「わかった」と言ってその後もずっと折り続ける。そうしているとその日の終わりにはもう、そのクラスの誰よりも手裏剣や紙飛行機を折ることがうまくなってるんです。

まずは一緒にやってみる

 幼児や小学生のお勉強でも同じです。何かを覚えるとき、「覚えた内容をあとでママとパパに教えてね」と言っておいて、その時間を3分でも5分でももうけてみてください。子どもはただ覚えるだけではなくて、この後、「この覚えたことを使う」ことに意識が向くので、より身につきやすくなります。

 しつけでも同じです。子どもに、コップを両手で持ってほしいなと思ったら「コップは両手で持つんだよ。わかった?」と注意するだけよりも、実際に一緒に両手で持って歩くほうがいいと思います。いろいろ応用できると思います。(次回に続く)

 本原稿は、てぃ先生著『子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て○×図鑑』からの抜粋です。この本では、ママパパの子育てが楽しくなって、子どもの「困った」が「成長」に変わるコツを紹介しています。一緒に楽しく、子育てしてみませんか?(次回へ続く)

てぃ先生の<br />今日からできる! 3分でも効果絶大!<br />物覚えがいい子になるスゴ技とは?
てぃ先生(てぃーせんせい)
関東の保育園に勤める男性保育士。

保育士として勤務するかたわら、その専門性を活かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演は年間50回以上。

他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。

ちょっと笑えて、かわいらしい子どもの日常についてのつぶやきが好評を博し、Twitterフォロワー数は52万人を超える。子育てのハウツーを発信しているYouTubeも大人気。

著書は『子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』(ダイヤモンド社)、『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(ベストセラーズ)、コミックほか多数。