理不尽な客を切っても、
大切な顧客を失うことにはならない

 こうした人は、説得しようとしても納得しません。早く終わらせたいと焦って必死に対応しようとして困惑すればするほど、その様子をエネルギーにして理不尽さはエスカレートします。こうした、面倒で厄介な相手に対しては、逆にシンプルに対応することこそ有効なのです。淡々とできないことを伝え続けることによって、本人が「これ以上は無理だ」「対応してくれない」と諦めた(気づいた)瞬間、「捨てゼリフ」を残して電話を切ったり、立ち去ったりすることが多いです。

 そして知っていただきたいのは、往々にして、こうした理不尽な消費者から捨てゼリフを受けるような事態になっても“大切な顧客を失う結果”にはならないことです。こういうタイプは、しばらくすると何食わぬ顔でシラーッと現れるものです。

 困った顧客の心理は分かりませんが、他人の生き方を変えることはできません。これからも変わることのない相手(他人)に無理に合わせ説得しようとせず、自分自身(担当者)が心を守るすべを身に付けることがなによりも大切なのです。