米FRB 資産縮小も年内開始
12月消費者物価、39年ぶり7%増
インフレが急伸する米国では2022年春にも、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げに転じ、年内に「3回の利上げ」が予想される。パウエルFRB議長は11日の米議会公聴会で、利上げ開始後、FRBの資産縮小にも年内に着手する意向を明らかにした。
米金融市場はすでに金融引き締めへの転換を織り込んでいるとされるが、とはいえ12日発表された昨年12月の消費者物価指数は前年比7.0%増と、11月の6.8%増をさらに上回り約39年ぶりの高水準を続けている。インフレがさらに加速すれば金利上昇圧力は強まる。
日本銀行は18日公表した展望レポートで、22年度の消費者物価見通しをこれまでの前年比+0.9%から+1.1%に上方修正したが、日本にとっても長期金利上昇となれば、国債の利払い負担増による財政悪化に加え、日本銀行も利上げ局面での日銀当座預金の付利引き上げによる収益悪化が財務構造を直撃する。
超低利頼みの財政金融運営の歯車が逆回りすれば、脆弱性が一気に表面化する事態になりかねない。