菅義偉前首相自衛隊東京大規模接種センターの任務完了式であいさつする菅義偉前首相 Photo:JIJI

オミクロン株が猛威を振るい、新型コロナウイルスの感染者数は過去最多を更新。感染拡大「第6波」の到来は疑いようもなくなった。ここにきて、「菅政権のままの方が良かった」という声が自民党内や霞が関から漏れる。「菅おろし」当時に聞かれた厳しい意見もいまだ残るが、ワクチン接種を強力に進めたリーダーシップを再評価する声も高まっているのだ。(イトモス研究所所長 小倉健一)

自民党の幹事長経験者が悔やむ
あと1カ月遅ければ菅首相のままだった

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染急拡大が、岸田文雄政権の後手に回るコロナ対応を浮き彫りにしている。社会経済活動との両立の鍵を握るワクチン供給が「第6波」に間に合わず、各地で連日のように過去最多の感染者数が確認されているためだ。

 社会インフラへの深刻な影響も懸念される事態に突入し、自民党内からは「菅義偉政権のままの方が良かった」との声も漏れる。

自民党幹事長経験者の一人は今年初め、オミクロン株の猛威を受けて悔しさをにじませながらこう語った。