コロナ第6波で医療危機を避けるには?第5波データから浮かび上がる「重要な鍵」コロナ第6波で医療危機を避ける「重要な鍵」とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

オミクロン株が急速に拡大する第6波において、再びの「医療逼迫」を避けるための重要な鍵がある。それは国内で最大の感染者数を記録した第5波の実態をデータで検証すると、それが浮かび上がってくる。(国際医療経済学者・グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン〈GHC〉会長 アキよしかわ、GHC代表取締役社長 渡辺さち子)

2021年は第3~5波にさらされ
1年の4分の3が医療危機だった

 2021年を振り返ると、1年の4分の3は新型コロナウイルス感染拡大の第3~5波にさらされて医療危機に陥っていた。特に国内最大の感染者数を記録した第5波では、自宅で死を迎えざるを得なかった患者も出るなど、「医療逼迫」をどう防ぐかが改めて注目された。第5波のピーク以降は、コロナ感染患者を受け入れるために補助金を受け取りながらも感染拡大のピーク時に稼働しなかったいわゆる「幽霊病床」に耳目が集まった(詳細は『コロナ患者を受け入れなかったとされる「幽霊病床」、その裏にある医療の構造問題』参照)。

 ではオミクロン株が急速に拡大する第6波において、第5波のような医療逼迫を繰り返さないためにはどうすればいいのか。実効性のある対策につながる示唆を求め、第5波のデータを振り返って検証すると、重要な鍵が浮かび上がってくる。