欧米の企業と日本の企業とを「企業規模」と「多角化度」の2軸で収益性を分析すると、欧米では多角化度の高い企業の収益性が良いのに対し、日本では今ひとつというデータがある。多角化そのものは悪ではない。しかしながら、うまくマネジメントできなければ、いくら稼ぎ頭ががんばっても、全体の利益率を引き上げるのは難しい。一方で、低収益(正しくは、投資できていない)事業の中にも分離・独立することで、成長が見込めるものが含まれる。「解体」などとセンセーショナルに取り上げられがちな「事業の分離」だが、やり方次第でハッピーセパレートにすることは可能だ。幸せな結末に必要なことは何か?(マネジメント・コンサルタント 日置圭介、構成/相澤 摂)
想像力で物語を紡ぐレゴブロックのように
企業は変態していかなければ生き残れない
世界でもっとも有名なおもちゃともいえる、レゴブロック。子どもから大人まで、世界中に熱心な愛好家が存在します。
その理由のひとつが、無限に「ストーリー」を増殖させられる点でしょう。シリーズ間には互換性もありますし、創造力次第でいかようにも物語を紡いでいくことができます。
なぜ私がレゴブロックの話をしているのかというと、「企業の進化」の姿をそこに見るからです。
一般的に「優れたものに発展すること」が「進化」だと思われていますが、そうとは限りません。本来の進化の意味は、「変態して適応すること」です。
人間の常識や視点からは「退化」に見えるようなことでも、当事者からすれば、機能をそぎ落とし、強みを磨くための選択にほかならない。そのような例は枚挙に遑(いとま)がありません。
最近、話題になった「変態」といえば、東芝の3分割でしょう。