「メタバース」がもたらす教育方法の大転換とは写真はイメージです Photo:PIXTA

フェイスブックの社名変更で
注目されるメタバースとVR

 米フェイスブックが昨年10月に社名を「メタ」に変更した。その影響は日本にもあり、多くの人々がVR(仮想現実)やメタバースに興味を持つきっかけとなった。

 メタバースとは「メタ(超越した)」と「ユニバース(宇宙)」を組み合わせた造語であり、単一の仮想空間というよりは、それぞれの空間が銀河のように多数存在し、それぞれが併存しているというイメージだ。

 従来はオンラインゲームの域を出なかったメタバースだが、今では仮想空間を通してさまざまな人とコミュニケーションができる「バーチャルSNS」としてのサービスも増えつつある。メタバースが多人数参加型の仮想空間を意味するのに対し、VRはコンピューターによって作られた仮想的な世界を、あたかも現実世界のように体感できることを広く指す。

 もともとVRは教育分野に特化していた。リンクシミュレーターやフライトシミュレーターなどとも呼ばれる、終戦前に作られたシミュレーションシステムがVRの始まりである。車の教習所で扱われるドライブミュレーターも一種のVRと言っていいかもしれない。第二次世界大戦におけるパイロットの多くも、そういったシミュレーターを活用していたと言われている。つまり、VRの原型は戦時中から存在していた。

 VRと言われると、頭にデバイスを装着するヘッドマウントディスプレー(HMD)を連想する人は多いが、スマホやデスクトップでバーチャル空間に入ることも含まれる。