米資産運用大手フィデリティ・インベストメンツのアビゲイル・ジョンソン最高経営責任者(CEO、60)は創業者の孫娘であり、最近では意外な場所から投資世界の動向をチェックしている。それは、オンライン掲示板レディットに集うストックピッカー(銘柄選びをする投資家)のフォーラムだ。少し前まで、フィデリティはやや迷走している時代遅れの会社だと思われていた。利益は落ち込み、アクティブ型ファンドの「スター」運用者から顧客が離れつつあった。かつて世界最大の資金運用会社だったフィデリティは、ブラックロックやバンガード・グループの後じんを拝するようになり、社内の一部には、創業家出身のジョンソン氏に対し、経営者としての大胆さが足りないと懸念する声があった。