シリーズ累計159万部を超え、ビジネスパーソンの圧倒的な支持を集める「グロービスMBAシリーズ」。シリーズ最新刊『グロービスMBAミドルマネジメント』は、初めて部下を持つ人が押さえておきたい知識を網羅した1冊だ。今回、『グロービスMBAミドルマネジメント』に興味を持ち、実際に本書を読んだグロービス経営大学院の方3名に、その感想や活用方法を伺った(取材・構成/肱岡彩)。
ミドルマネジャーのバイブルになる1冊
――藤田さんは現在、3つのユニットに関わるお立場で、複数の部下を抱えていらっしゃると伺いました。最近ミドルマネジャーになられたお立場ではなく、むしろミドルマネジャーを輩出するポジションかと思います。そんな藤田さんが、『グロービスMBAミドルマネジメント』に、なぜ興味を持たれたのでしょうか。
IQVIAサービシーズジャパン株式会社勤務。3社の製薬会社を経て、営業部、戦略部およびメディカルアフェアーズ(MSL)部門の立ち上げ等をリードした後、現在はIQVIAサービシーズジャパン株式会社臨床開発事業本部のアソシエートディレクターとして、新しい組織の立ち上げに関わり、3つのユニットの責任者として従事。
藤田 篤(以下、藤田):私は現在、3つのユニットをマネージする立場ではあるのですが、新しい組織の立ち上げでは、部下に会社のビジョンに沿って仕事をしてもらえるように促したり、組織やメンバーの役割の明確にするなど、ミドルマネジャーが担う仕事もしています。
加えて、これまであったユニットを再構築して新しい組織にしていく変革の推進や、効率的な組織運営も求められていました。幅広い業務を担うにあたって、『MBAミドルマネジメント』でマネジメントのエッセンスを見直し、実践で役立てたいという思いがあったんです。
また、管理職に昇格するメンバーの育成に役立てたり、実際に部下にすすめたりできる本なのでは?と思い、興味を持ちました。
――実際に読んでみて、いかがでしたか。
藤田:第1章から第5章までの基礎編は、マネジメントの知識を再確認し整理する、よい振り返りになりました。特に第5章の「部署の地位のマネジメント」は、新しい組織を立ち上げる今の仕事にダイレクトに役立ちましたね。新しい部署は、まず他部署に認知してもらわなければなりませんし、新たに関係を築かなければいけない。そのための振る舞いは勉強になりました。
第2部の応用編は、イノベーションや組織変革のマネジメントがテーマで、書籍でも「より高度なスキルやメンタリティが求められる」と書かれていましたが、非常に参考になりました。私たちの組織では、MBOの行動特性に「イノベーション」を設定しているのですが、部下からは「そもそもイノベーションって何ですか」といったシンプルな質問を受けることもあります。第6章は、そういった「イノベーションとは何か」から書かれているし、わかりやすい言葉でチームメンバーに説明するのにも役立つ章だったなと感じています。
全体を通して、知識が身に付くだけでなく、現実のビジネスにも活用できる点が良かったですね。
――藤田さんのお仕事にも、役立つ部分が多くあったのですね。本書をすすめるとすれば、どのような人にすすめますか。
藤田:ミドルマネジャーになりたての人や、これから管理職試験を受ける人にすすめたいですね。バイブルになる1冊だと思います。
たとえば、管理職面談では、高い視座で仕事をとらえる経営視点で考えてもらうような質問が良くあります。「リーダシップとマネジメントの違いは?」「組織として改善が必要なことは何か?」「将来に向けて組織をどうしていきたいか?」……そういった質問に対して、自分なりの考えを導くために必要な知識が、本書では体系的にまとめられています。
また、ミドルマネジャーは、目の前のタスクをこなし、直近の目標を達成することで手一杯になりがちです。もちろん、短期的な成果も重要ですが、ミドルマネジャーには「変革を推進する」「組織を効率的に運営する」など、より大局的・長期的な視点で考えることも求められていると思います。
よく「視座を高く」と言われますが、この言葉の意味が理解できたとしても、経営に近い視点で考えること、そしてそれを実行できるかどうかは別問題です。ミドルマネジャーの役割とは何か、この本を通して最初に学んでいくことで、より大きな視点を持って仕事に取り組めるのではないかと思いました。
――最後に、藤田さんはグロービスMBAシリーズを他にもたくさん読まれているそうですが、他にミドルマネジャーにおすすめのタイトルがあれば教えてください。
藤田:ミドルマネジャーになりたての人は『グロービスMBAマネジメント・ブック』も一緒に読むといいかと思います。
現実のビジネスに活用可能な形で、MBAで学ぶエッセンスをコンパクトにまとめられています。「経営学では何を学ぶのか」を知りたい方、経営戦略、マーケティング、アカウンティングファイナンス、人・組織…など、各分野で知っておきたい基礎知識やフレームワークが一通り網羅されているので、ビジネス・バイブルとしておすすめですよ。