合同会社DMM.comが2021年3月に発表した「コロナ禍での会話に関する調査」によれば、コロナ禍前後で人との会話の時間が「かなり減った」「少し減った」と回答した人が合計で59.2%と、全体の半数以上にのぼる結果に。

 また、人と直接会って話す機会が減った代わりに、チャットやメールなどの文字によるコミュニケーションツールの利用頻度が増加傾向にあることも明らかになった。

「メッセージのやり取りばかりになってしゃべらない期間が長くなればなるほど、声が出しにくくなったり、かすれ声になったりします。ほかにも、加齢による声帯萎縮や、唾液分泌量の減少など、トラブルの要因はいろいろと考えられますが、コロナ禍においては、そもそも不調自体が発見しづらいという問題点があるのです」(老木氏、以下同)

 声を発さない、もしくは、出したとしても誰かに聞いてもらえない。こうした状況下では、自分の声に変化があっても、分かりにくいというわけだ。

声がかすれたらイエローカード
喉頭がんや反回神経麻痺の恐れも

 テレワークの環境下では、声帯や喉に問題が生じていても、異変を見落としやすい。その結果、大病の症状に気づかないケースもあるという。

「ただ声がかすれているだけだと思っても、実は喉頭がんなどの重大な疾患のサインである場合があります。喉頭がんの症状としては、数週間以上持続して乾燥性に声がかすれるようになったら危険信号です。なるべく早く病院を受診してください」