タイプ3「ハイブリッド型」の勧め
副業・複業を目指す

「ハイブリッド型」は、いわゆる副業や複数の会社・仕事から収入を得る形を通じながら、60歳以降も自分のペースで働くことができる仕事の機会を作っていくキャリア・プランだ。

 いきなりサラリーマンを辞めて、独立したり起業したりするよりはリスクが小さい点で、起業人型よりも多くの人にとって目指しやすいのではないか。

 勤め先の会社で仕事を減らすかどうかは人にもよるし、副業あるいは複業として手掛けたい仕事の内容にもよるが、うまくいくと、この形は本人にも会社にもメリットがある。

 筆者のキャリア・プランはこのタイプだった。42歳の時点で、それまで転職を繰り返して勤めてきた金融系の仕事を離れ、「時間自由かつ副業自由」を条件として交渉してシンクタンクに入って(給与水準は前の半分以下に下げた)、おおっぴらに複数の仕事を始めた。

 知り合いの会社にも勤めてみたり、ベンチャー企業に関わってみたり…。試行錯誤があったが、原稿を書いたり、講演やテレビ出演をしたりといった仕事が増えて、「経済評論家」が仕事として軌道に乗った。

 その後、サラリーマンとしての勤務先をシンクタンクからインターネット証券に変えて現在(63歳である)に至っている。

 筆者は、特段成功者でもないし、幸い失敗しなかっただけなのだが、凡庸なビジネスパーソンのリスクの取り方として、悪い選択肢ではなかったと思っている。

 金融マン時代から、筆者はどちらかというと調査系の「知識を売る」種類の仕事をしてきた。こうした仕事では、会社は「時々」役に立つアイデアを必要とするのであって、月曜日から金曜日までフルタイムで社員たる筆者が会社にいることを必要としない。