米メリーランド州ボルチモア在住のトビー・ロビチェリ君(14)はクリスマスに、300ドル(約3万4000円)の仮想現実(VR)ヘッドセットをもらった。初めて装着してからわずか数時間後、シューティングゲームの「スーパーホットVR」をプレー中にバランスを崩し、膝頭を骨折した。VRヘッドセットを「設定したのが2時頃だった」と母親のアリソン・ロビチェリさんは話す。「8時にはもうER(緊急処置室)に向かっていた」。息子の足を見たときは卒倒したという。トビー君はいま、松葉づえを使っている。米調査会社IDCによると、昨年のVRヘッドセット販売台数は2020年から70%余り増加し、790万台に達した。需要が高まる一因として「メタバース」への期待感がある。インターネットの3次元(3D)版を指す用語で、その中には人々が集まって仕事をしたり、学んだり、遊んだりする仮想世界が存在する。
メタバース没入にご用心、VR装着中の事故増加
膝を骨折する、花瓶を割る、肩を脱臼する、テレビを壊す・・・
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