銀行の自発性を失わせた金融庁の「過剰管理」の罪相次いでシステム障害を起こすみずほ銀行を、昨年、金融庁は痛烈に批判した Photo:123RF

「言われたことだけしかしない」銀行は
みずほ銀行だけではない!

 相次いでシステム障害を起こすみずほ銀行を、昨年、金融庁は「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢」と、通常の“行政用語”を超える最大級の言葉で批判した。

 だが、金融庁が批判するこうした姿勢は、みずほ銀行に限って見られるものではない。どの地域金融機関にも大なり小なり、同じような「負の組織文化」がある。

 難しいのは、組織文化は数値化した計測が困難なので、それが正すべきあしき文化であっても事実上、放置されてしまうことだ。一方で、組織文化の良しあしこそが組織の生産性を左右するということは、まともな経営者なら皆、知っているはずだ。

 銀行業界にはびこる負の組織文化は、どうしたら撲滅できるのか。それは、銀行のみならず、金融庁にとっても大きな関心事である。

 ところで、ここで一つ疑問が生じる。そもそも、計測できないものは管理しなくて良いのか――。

 次ページでは、その根本に立ち返って、銀行業界が突き付けられている負の組織文化の変革方法について考えてみたい。また、負の組織文化が醸成された原因についてもつまびらかにしていく。