屈強な半導体企業である米エヌビディアには、英半導体設計大手アームを失う余裕がある。だがソフトバンクにとって、ハイテク機器の付属品をもうしばらく抱え続けることは、頭痛の種となるかもしれない。画像処理半導体(GPU)大手エヌビディアによるソフトバンク傘下アームの買収計画が頓挫したことは、必ずしも驚きではない。半導体業界で過去最大規模となるはずだったこの買収計画は、独禁法上の懸念を背景に当初から苦戦を強いられていた。アームのチップ設計アーキテクチャは、地球上のほぼ全てのモバイルデバイスの中枢技術となっているうえ、同社はエヌビディアの競合の多くを顧客としている。現金と株式の組み合わせによる買収案は、発表時には約400億ドル(約4兆6200億円)と評価され、その後エヌビディアの株価が2倍になったことから、足元では600億ドル以上の評価額になるはずだった。
アーム売却断念、頭が痛いのはソフトバンク
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