習氏の次なる課題:粛清で消えた軍司令部の再構築Photo:Kevin Frayer/gettyimages

【シンガポール】中国の習近平国家主席は軍最高幹部の大半を解任した。同氏は今、スキャンダルで打撃を受けた最高司令部を再建し、米国に対抗できる軍の準備を再び推し進めなければならない。

 これを成し遂げるため、同氏は7日に全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の軍代表団の会合で演説した際、忠誠心を重視する姿勢を示した。

「軍内部で(中国共産)党に対して二心を抱く者がいてはならず、腐敗分子が潜む場所があってはならない」と習氏は述べた。これは、今年1月に軍最高幹部を粛清して以来、軍事問題に関して最も踏み込んだ発言となる。

 習氏は、毛沢東時代以来見られなかったスピードと規模で軍内部を揺るがした腐敗と不忠に対する取り締まりを主導した後、新たな上級指揮官らによる体制を構築しようとしている。そして7日の発言は、絶対的な忠誠心と幹部登用プロセスの厳格化を求める姿勢を浮き彫りにするものだった。

 この課題の規模は、今年の全人代で明らかになった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が公式発表を精査したところ、2023年に現在の全人代の任期が始まって以降、軍代表団では代表資格を失った高官は36人に上り、これは当初の281人の約13%に相当する。今期における資格剝奪では軍代表団が全体の3分の1以上を占めており、他の代表団を大きく上回っている。

 資格を失った軍代表団のうち、9人については2月下旬に発表され、先週にはさらに3人が政治諮問機関から除名された。残る軍代表の中にも最近になって調査の対象となったり 公の場から姿を消したり している高官がいるため、さらなる排除が行われる可能性が高い。

 粛清が続く中でも、人民解放軍(PLA)は依然として活発な軍事活動を続けている。しかし、上級指揮官の任命を巡る不確実性は、200万人規模の軍の士気への影響を含めて課題となっている。