「ピアノや音楽の能力って、子どものころからやっておかないと身につかないんでしょ……?」と思っていませんか?
大丈夫です。今からでも間に合います! しかも、ピアノの演奏に楽譜をよむ力は必要ありません。
なぜなら「楽譜に書かれていない音楽を自由に弾く能力」を伸ばしていく方法があるからです。「まったくの未経験だけどピアノに興味がある」「音楽に苦手意識がある」「駅や空港のストリートピアノをさらっと弾いてみたいんだけど……」という人でもすぐに両手で弾けるようになります
本連載では「ピアノが弾けるようになりたい!」という方に向けて、かんたんに両手で弾けるようになる方法をわかりやすく解説します。著者は作曲家でボカロPのmonaca:factoryさん。この度『楽譜がよめなくても90分でいきなりピアノが弾ける本』を出版し、誰でもピアノを自由に楽しくかっこよく弾ける秘訣を、余すことなく伝えています。

作曲家直伝! 5分でできる、超かんたん即興メロディー術Photo: Adobe Stock

ピアノを使って短いメロディーを作ってみよう

 今回は、即興演奏に役に立つメロディーの作り方を学んでいきましょう!

 メロディーを作るなんて、演奏者を超えてもはや作曲家の第一歩です。でも「作曲なんてどうやって弾けばいいかわからない……」という心配は不要です! 知識がまったくなくても、音を当てはめるだけでできてしまいます。

作曲家直伝! 5分でできる、超かんたん即興メロディー術

 一番左の四角の中に、音符(♩)が4つ並んでいます。これらの音符に「ド・レ・ミ」のどれかの音を当てはめて弾いてみましょう。

 たとえば「ド・レ・ミ・レ」や「ミ・レ・ド・レ」のようなものが考えられます。「ド・ド・ド・ド」もありますね!

 この4つの音が1つのフレーズ(短いメロディー)になります。右手の親指(ド)、人差し指(レ)、中指(ミ)を使ってそのフレーズを3回くりかえし弾きましょう。

 作曲家になってわかりましたが、長くて複雑なメロディーを聴くより、短いものを何度も聴くほうが印象に残って覚えやすいです。くりかえしには曲を印象づけるパワーがあります。

作曲家直伝! 5分でできる、超かんたん即興メロディー術

決め球の「ソ」

 伴奏をつければ、この「ド・レ・ミ・レ」だけでもしっかりメロディーに聴こえてきます。それだけくりかえしにはパワーがあるのです。しかし、1つ大事なポイントがあります。それは「ただくりかえすだけでは聴く側も飽きてしまう」ということ。丸で囲われた最後の4音は少し変化を加えてあげましょう。メリハリをつけるために、ここでは新たに「ソ」の音を使ってみましょう。

 たとえば「ソ・ミ・レ・ミ」のように弾きます。ドレミより高いソの音が加わると、聴き手に「あっ、新しい音がきたな」と変化を印象づけられます。

 メロディーは、高い音ほど印象に残ります。最初に低い音をくりかえしたからこそ、最後の高いソの音がいきてきます。野球でたとえるなら、ストレートを3回見せたからこそ決め球の変化球がいきてくるというわけです!

作曲家直伝! 5分でできる、超かんたん即興メロディー術

(本原稿は、monaca:factory著『楽譜がよめなくても90分でいきなりピアノが弾ける本』を抜粋、再構成したものです)