「ピアノや音楽の能力って、子どものころからやっておかないと身につかないんでしょ……?」と思っていませんか?
大丈夫です。今からでも間に合います! しかも、ピアノの演奏に楽譜をよむ力は必要ありません。
なぜなら「楽譜に書かれていない音楽を自由に弾く能力」を伸ばしていく方法があるからです。「まったくの未経験だけどピアノに興味がある」「音楽に苦手意識がある」「駅や空港のストリートピアノをさらっと弾いてみたいんだけど……」という人でもすぐに両手で弾けるようになります
本連載では「ピアノが弾けるようになりたい!」という方に向けて、かんたんに両手で弾けるようになる方法をわかりやすく解説します。著者は作曲家でボカロPのmonaca:factoryさん。この度『楽譜がよめなくても90分でいきなりピアノが弾ける本』を出版し、誰でもピアノを自由に楽しくかっこよく弾ける秘訣を、余すことなく伝えています。(初出:2022年1月15日)

大人になって始めても、ピアノが「どんどん上達」する2つの方法【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

決めつけ、思い込みを捨てよう!

 音楽に限った話ではありませんが、ついつい「才能」という言葉ですべてかたづけられてしまうことがありますよね。あなたも「自分はこういう人間だし……」「才能ないだろうし……」と最初から決めつけてしまってはいませんか?

 実際、大人になればなるほどその傾向は強くなると感じています。

 その「自分にはムリ……」という思い込みがいかにあてにならないか、知人のお話をします。名前はYさんとしましょう。Yさんは音楽関係の仕事に従事しているのですが、楽器を習った経験があるわけではありません。

 あるときピアノの話題になり、わたしが「興味あれば教えますよ」と誘ってみたのですが「いや~。自分にはできないですよ。monacaさんほど指も長くないですし……」と言われました。「そんなことないと思いますよ」と試しにお互いの手のひらを合わせて、指の長さを比べてみたのですが、なんとYさんのほうがわたしより指が長かったのです(笑)。

「できない」という思い込みが先行してしまうと、いろいろなできない理由を探してしまいます。「時間がない」「お金がない」など、挙げればキリがありませんよね。

 よく考えてみてください。手の小さい小学生でもピアノは習います。ですから、指の長さはできない理由にはならないはずなのです。

 逆に、自分はできると思って行動すれば、どんどん成長できます。最初からなんでもできる人はほとんどいません。「できるできない」の問題ではなく「やりたいかやりたくないか」が重要です。

 結局Yさんにピアノを教える機会はまだないのですが、Yさん自身が「やりたい!」と思ったときは喜んでお教えしたいと思います(笑)。

聴いて弾くが上達の近道!

 大人になってから音楽の勉強をするとき、ついつい「音楽理論を勉強しないとだめですよね?」とむずかしいことから考えてしまいがちです。

 ですが「聴く」と「弾く」をくりかえしていくうちに、音感や音楽センスは育っていきます。音楽の基本は音を聴いて覚えていくもの。自分でたくさん聴いて、たくさん弾けば上達も早いです。

 そのような堅苦しいお勉強は忘れて、もっと自然に聴いて、弾いて、楽しみながら音楽を身につけていきましょう!

(本原稿は、monaca:factory著『楽譜がよめなくても90分でいきなりピアノが弾ける本』を抜粋、再構成したものです)