パスタもマヨネーズもサバ缶も続々値上げ、食費節約のポイントは「共感と実感」写真はイメージです Photo:PIXTA

もう飽きたと言いたくなるほど、食品値上げのニュースが相次いでいる。メーカー各社は判で押したように、「原材料高」「エネルギー価格や物流費の高騰」「人件費」「供給量不足」などを理由に挙げている。プライベートブランド(PB)食品については3月まで値段据え置きとした大手流通もあるが、やがては価格改定に踏み切る可能性もある。たとえコロナ要因のほうが落ち着いたとしても、企業が一度上げた価格を下げるとは考えにくく、この先も上がったままになると考えたほうがいい。しかし、「上がるぞ上がるぞ」と呪文のように唱えてばかりもいられない。まずは敵を知ることだ。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

各家庭で今より3~5%程度の食費増額?

 改めて、値上げされた・値上げ予定の食品を整理しよう。

 2月の時点で、既に油、パスタ、冷凍食品、ハム・ソーセージ、すり身食品、しょうゆなどが値上げ。3月にもマヨネーズ、サバ水煮缶、コーヒーなどがあり、4月以降にもカップ麺、ケチャップ、レトルトカレー、チーズ類、コーラなどが控えている。ニュースで流れただけでも相当の数となる。

 店頭価格がそのまま引き上がるわけではないが、各社のリリースを読む限り3~5%、ものによっては10~20%もの価格改定率となる。実際にどの程度、食費を圧迫するのだろうか。

 1月に製パンメーカー各社がパンの値上げを行ったが、筆者がよく買う菓子パンの店頭価格が10円アップした。たかが10円だが、もし毎日買うもののうち5品が10円ずつ上がったとすると、ひと月で1500円分ほど食費が増える。ひと月の食費予算が3万円の家庭なら5%アップだ。4万円の家庭でも約4%で、先のリリースの価格改定数字と合わせると、やはり各家庭で今より3~5%程度の食費増額があり得るのではないか。

 まず、今かかっている食費をベースに計算して、どの程度増額しそうかとイメージしてみることから始めよう。節約を考えるなら実感のある数字を計算してみることだ。そうすれば対策も考えやすい。