転職先で絶対に嫌われる「出羽守(でわのかみ)」とは?アンラーニングが活躍のカギPhoto:PIXTA

転職先では「アンラーニング」が重要に
「出羽守(でわのかみ)」になってはいけない!

 基本的に役職が上の人ほど、これまでに蓄積した経験やスキルをたくさん保持しています。そうした強みがあればこそ、転職活動で引き合いがあるわけですが、転職後、それが足かせになってしまう場合もあります。

 その典型が、求められていないタイミングで「前の会社では~」と言いだして、信頼関係を構築する前に周囲からそっぽを向かれてしまう「出羽守(でわのかみ)」です。

 もちろん、「最初にかましておこう」といったマウンティング目的は論外ですが、本人にそんなつもりはなかったとしても、内容が妥当だったとしても、出羽守は「マウントを取りにきているのか」と反発を受けてしまいます。

 同じような業種、業界でも、それぞれの会社は歴史と文化が異なります。専門的なスキルは共通だったとしても、会社組織はローカルルールの固まりです。したがって、転職者は前職で獲得した経験はいったん脇に置いて、新たな会社組織におけるローカルルールを謙虚に学ぶ必要があります。そうやって学びながら、自分が成果を出し会社に貢献するにはどうすればよいかを考えていくことが重要なのです。

 その意味では、転職後、新しい組織に適応するためには、一種のアンラーニングが必要だといえます。アンラーニングとは、意識的にこれまで学んだ知識やスキルを脇に置き、新しく学び組み立て直すことを指します。

 自分が今まで獲得してきた経験をいったん脇に置いて、新しい環境におけるルールや組織の動かし方を謙虚に学ぶ。一方で、企業の中途採用は外部の知見の獲得という目的がありますから、受け入れる側も転職してきた人から学ぶ姿勢を持つ。そうした関係性の構築が、転職して活躍できるかどうかの大きなカギとなります。

自分の力を誇示するのはNG
発揮する最適なタイミングとは

 アンラーニングは一種のバズワードのようになっていますが、いろいろな転職者を観察していると、前職でのやり方にこだわり過ぎるなど、個人としてはできていない人がかなりいると感じます。