香港が新型コロナウイルス感染急拡大に見舞われ、病院の外には収容しきれない患者を乗せたストレッチャーが並ぶ中、中国の韓正・副首相が香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を本土の深センに呼び出して非公開会合を行った。中国政府内で香港を監督する最高位の幹部である韓氏は、7月1日の香港返還25周年を記念して習氏が予定している同地訪問に先立ち、数週間以内にコロナ流行を制御せよとの習近平国家主席の命令を伝えた。会合の内容を知る関係者が明らかにした。関係者によると、韓氏は2月15日に行われたこの会合で、2019年に反政府デモで混乱に陥った香港に中国政府がいかにして安定を取り戻したかを示すことが習氏の訪問目的だと説明した。中国の指導層は、国家安全維持法を制定し、親中派のみを政治ポストに据えたことが香港に統治改善をもたらしたと主張。これまでに多くの民主派議員が収監されている。