株式、原油、小麦など、世界のあらゆる市場の値動きが数十年ぶりの大きさとなっており、経済や政治の予測できない動きを投資家が警戒していることがうかがえる。投資家は過去数カ月、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策引き締め見通しに振り回されてきたが、この1週間にはロシアがウクライナに侵攻したことで新たな課題に直面した。この地政学的危機は、米国のインフレ率が40年ぶりの高水準にあり、FRBが2018年以来の利上げに踏み切ろうとするさなかに、欧州の経済成長を妨げる恐れがある。S&P500種指数は直近高値から10%余り下落し、2年ぶりに調整局面入りした。ロシア株は3割を超える記録的な下げとなった。原油は2014年以来となる1バレル=100ドル突破を果たし、小麦は12年以来の高値を付けた。ニッケルやアルミニウムなどのコモディティー(国際商品)価格も急上昇した。