ロシアの侵攻から逃れようとする人々が殺到するウクライナとポーランドの国境では、アフリカや南アジア、中東からやってきた外国人留学生らが、何日も足止めされる事態が起きている。ウクライナの移民当局は自国民への対応を優先しており、それ以外の人々は雪の中で延々と待たされているという。欧州連合(EU)諸国を目指す避難民らが越境手続きのために並ぶ時間が48時間を超える中で、警備隊員らは黒人やアジア人、中東出身者らを列から外し、ウクライナ人の順番を優先し始めた。国境越えを果たしたウクライナ人や外国人らはこう証言する。ポーランドのメディカと接するウクライナ側の国境付近では、明らかに疲れ切った警備隊員が外国人留学生を引っ張り出し、過酷な夜の野外で何日も待たせていた。いつ屋内に戻ることができるかといった質問にも、警備隊員はののしりや暴力による威嚇で対応したという。負傷し、緊急の医療措置が必要となるケースもあった。一方、検問所内では、たった2人の入国審査官が何万人ものパスポート情報を必死で手で書き写していた。