私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
今回は、強運になる習慣をお伝えします。

強運を呼び込む人がやっている「スキマのつくり方」Photo: Adobe Stock

リラックスが運を呼ぶ秘訣!

 友人がとある神社に参拝したときのこと。先客がいて、何か熱心に祈っていました。肩に力が入り、大きな荷物を持ち、何やら体をクネクネ動かしています。

「長いな~。自分たちも祈るか」。友人が先客の隣に並んで参拝をすると、とたんに風が吹いてきました。私は彼らの背後にいたのですが、なぜか友人側にだけ風が吹き、先客のほうには風が吹きません。

 不思議に思って友人に「いったい何をしたの?」とたずねると、「特に何も。普通に感謝の思いを伝えただけ」と。その後すぐに友人は、念願かなって超難関の研究所に就職し、学者として安定した職を得ました。ちなみに、私も参拝したら、風が吹きました(安心しました!)。以来、神社で吹く風こそ、運気がやって来るサインなのだと思うようになりました。

 この直感はあながち間違っていなかったようです。宗像大社(むなかたたいしゃ)で、神社紹介用ビデオを見ていると(芥川賞作家でお笑いタレントの又吉さんやサッカーの名選手だった中田英寿さんなどが登場)、漁船で神様を島から本土へ移動させるシーンがありました。このとき神職さんがご神事をし、神様が本土のお社にお移りいただいたと判断するサインが「風が吹く」でした。風に乗って、神様は移動すると解釈されているわけですね。

 この神様の風、どうやらリラックスしているときに、吹くようです。リラックスすると、体がゆるみます。ゆるむと、何事も心広く受け入れる気持ちになります。この受け入れる空きスペースを、私は「スキマ」と名付けています。

 部屋を掃除し整理整頓すると、物理的に空きスペースができますよね。ここでいうスキマは、精神的余裕のような、心の空きスペースだとご理解ください。先の友人は神様の前で感謝の思いを伝えました。感謝は「ありがとう」と受け入れることで、これもスキマをつくる行為です。そんな受け入れるスキマのある人に、風に乗って「運」も入ってくるわけですね。

 逆に言えば、体に力が入り、心身が強張っていては、物事を受け入れるスキマがなく、「運」も入ってきません。熱心に祈られていた先客は、「肩に力が入っている」「大きな荷物を持っている」「長々と神様に言いたいことがある(言いたいことで一杯)」と、スキマのない状態です。

 もちろん普段がんばられている方は、心身共に緊張し、強張っていることでしょう。そんな日々がんばられている方こそ、神様の前では心をゆるめ、リラックスされると、風が吹き、運気もぐんと上昇することでしょう。

*本原稿は、『最強の神様100』の著者による書き下ろしです。