私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
今回は、強運になる習慣をお伝えします。

【強運になる習慣】節目を大事にする人だけにもたらされる特別なことPhoto: Adobe Stock

立春に今年担当の神様がやってくる!

 時間の流れをあらわす仕組みに暦(こよみ)があります。年・月・週・日・曜日など、時間の流れを単位であらわします。暦があることで、我々は何かをする際の適切な時期を知ることができるのです。この暦の仕組みをもとに、古来より運を重視する人は「節目」という考え方を大事にしてきました。

 節目とは卒業や結婚など区切りの時。日本には年を重ねるごとに、人生の節目を祝う習慣があります。竹は節目がしっかりしていると、よく成長するといわれます。節をつくっている時は伸びが遅く、節ができるとどんどん伸び、強度が強くなります。

 われわれ人間も、節目を大事にすることで、より成長すると考えられています。強運な人が、それを意識しているかはわかりませんが、節目の時は盛大にお祝いをしたり、神社仏閣など参拝したりします。

 神社参拝の場合、ご報告と感謝を神様にお伝えします。何か新たな神頼みをするわけではなく、節目の時を迎えた報告と、ここまで来られたことへの感謝を心の中でお伝えするのです。そうして、自分自身のここまでの道のりを見つめ直すと、人間としてさらなる成長に導かれることは、教育心理学などでも常識ですね。

 節目の神社参拝といえば、新年の初詣が最も有名でしょう。しかし、初詣の習慣が一般的になったのは明治中期以降。平安時代より皇族貴族が新年の参拝をしていたのは、立春以降でした。

 立春もまた新年の始まりを指します。太陽の運行に基づく暦の新年です。立春(2022年は2月4日)より、新年を担当する神様があらわれるとされました。年神(としがみ)さまです。本書で御歳神(みとしのかみ)と紹介した神様です。

 年神さまは、毎年違う方角にあらわれます。年神さまがいるとされる方角を、恵方(えほう)といいます。恵方は陰陽道に基づく考え方で、恵方詣り(えほうまいり)を立春以降にすることで、その年の年神さまの福徳をいただけるとされます。

 2022年の恵方は「北北西」です。正確には、北北西よりも少し北寄り。恵方詣りでは自宅より北北西の方角にある神社に参拝しましょう。もちろん、2023年の立春以降になると、また別の方角に年神さまがあらわれます。

 仏教では曹洞宗のお寺で、「立春大吉」のお札を門にかかげる習慣が始まりました。曹洞宗の開祖・道元が、お正月をお祝いする「立春大吉文」なる文章を書かれたとされる故事が由来です。

 2022年2月4日以降、ご自宅から北北西の方角にある神社仏閣を訪れてください。バトンタッチした新しい年神さまがあなたをお迎えしてくれるでしょう。

*本原稿は、『最強の神様100』の著者による書き下ろしです。