しくみを作って、長期間、
コツコツ愚直に積立投資を続けよう

 よく、「商品の数は多いほど良い。なぜなら、選択の自由度が高まるからだ」という意見も聞きますが、決してそうではありません。もちろん、全員が目利きであればそれでもいいのですが、本書を手にして読んでくださっている方は、大半がそこまでの選択眼を持ち合わせていないと思います。

 だからこそ、本連載を活用してもらいたいのです。

 本連載はズバリ、これからつみたてNISAを始めるにあたって、どういう観点から投資信託を選べば良いのかという基準を示すのと同時に、あくまでも参考ではありますが、私が考える基準に沿って選ぶとこういう投資信託が候補になります、ということを示してあります。

 また、その候補の詳細を挙げるに際しては、できるだけ内容の中立性を維持するために、私が会長を務めているセゾン投信のファンドは外してあります。

 あとはしくみを作って、長期間、コツコツと愚直に積立投資を続けるだけです。それほど深く考える必要はありません。悩む必要もありません。特別な何かをする必要は全くないのです。

 月3万3000円を積立投資に回すのは、結構大変かもしれません。

 しかし、途中で諦めずに続ければ、お金に困ることのない「100年人生」を送るうえで、必要にして十分な資産形成を実現できるはずです。

中野晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信代表取締役会長CEO
一般社団法人投資信託協会副会長、公益財団法人セゾン文化財団理事
1987年明治大学商学部卒業、クレディセゾン入社。2006年セゾン投信を設立。2020年6月より現職。
つみたてで、コツコツと資産をふやす長期投資を提言、国際分散型投資信託2本を15年以上運用し、
個人の長期資産形成を支えている。客観的な定量評価を行う複数のファンドアワードで連続受賞。
口座開設数16万人、預かり資産4700 億円を突破。
主な著書に『最新版 投資信託はこの9本から選びなさい』『投資信託はこうして買いなさい』他多数。