中国発の人気動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」は、リップシンク(口パク)やダンス、悪ふざけといったたわいもない動画で注目を集め、人気が爆発した。だが、ここにきて戦争に関するミーム(はやりネタ)や国家のプロパガンダといった動画が絶えず投稿されるようになっており、ウクライナでの紛争に関する国際社会の見解に影響を与えている。こうした変化は、中国ハイテク大手字節跳動(バイトダンス)傘下のTikTokが約5年前にサービスを開始して以降、最大とも言える困難に直面していることを浮き彫りにしている。社内では、ロシアとウクライナの緊張が高まる中、地政学において自社が担う役割が高まっている状況にどう対応していくべきかが焦点になっている。内情に詳しい関係筋が明らかにした。有害コンテンツ監視要員の一部は、特定の投稿について推薦を回避すべきか、あるいはアプリから削除すべきか、それとも作成者のアカウントを制限すべきか、答えをなかなか見いだせずにいるという。