コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はエムスリー、Zホールディングスなどの「ITサービス」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
絶好調のITサービス業界は
9四半期連続2ケタ増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のITサービス業界5社。対象期間は21年10~12月期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・エムスリー
増収率:16.0%(四半期の売上収益565億円)
・Zホールディングス
増収率:29.2%(四半期の売上収益4092億円)
・楽天グループ
増収率:15.9%(四半期の売上収益4812億円)
・MonotaRO
増収率:20.7%(四半期の売上高513億円)
・メルカリ
増収率:44.1%(四半期の売上高376億円)
※メルカリは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
いずれも前年同期比で2ケタ増収となったITサービス業界の5社。5社とも21年10~12月期まで「9四半期連続」で2ケタ増収となっている。
好調ぶりがすさまじいITサービス業界だが、中でも今回飛び抜けて高い増収率を記録したのがメルカリだ。唯一、4割超の増収となっている。そして時系列で増収率の推移を確認すると、さらにそのすごさが浮かび上がる。
次ページ以降ではメルカリの増収要因を詳しく解説するとともに、各社の増収率の推移も併せて紹介する。