コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は中外製薬や武田薬品工業などの「製薬」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
中外製薬が
5割超の大幅増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の製薬業界4社。対象期間は21年10~12月の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・中外製薬
増収率:53.1%(四半期の売上収益3223億円)
・武田薬品工業
増収率:7.7%(四半期の売上収益9013億円)
・第一三共
増収率:8.7%(四半期の売上収益2810億円)
・アステラス製薬
増収率:4.7%(四半期の売上収益3406億円)
製薬4社はいずれも前年同期比で増収となった。中でも、中外製薬は5割超の大幅増収となっている。背景には、業績をけん引した「二つの薬」の存在がある。
次ページでは、各社の増収率の時系列推移を紹介するとともに、中外製薬の増収要因について詳しく解説する。