スマートベータには、いくつかの種類がある

 そこで「時価総額に応じて銘柄を組み入れるより、もっと『賢いインデックス』で運用する方法があるのではないか」ということで編み出されたのが、スマートベータです。

 具体例をご紹介しましょう。【下図表】をご覧ください。

 スマートベータには、たとえば、

・配当利回りが高い銘柄で構成する「高配当型」
・売上高や利益、ROE(自己資本利益率)など財務状況から構成比率を決める「ファンダメンタル型」
・各銘柄の時価総額にかかわらず構成比率が等しくなるように組み入れる「均等ウェイト型」
・ポートフォリオのリスクが最小になるよう構成比率を決める「最小分散型」
・Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の観点を重視して構成比率を決める「ESG型」

 などがあります。

 このような考え方で独自のインデックスを作って運用することで、通常のインデックス運用を少しでも上回るような運用成績を上げようというわけです。

朝倉智也(あさくら・ともや)
モーニングスター株式会社 代表取締役社長。
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。98年モーニングスター株式会社設立に参画し、2004年より現職。第三者投信評価機関の代表として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。
主な著書に、『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『つみたてNISAはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、
『iDeCoで自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。