きっと終わりは、スーパーバッドエンディングではないから大丈夫

――これまで徳井さんが“大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした”という場面はありますか?

徳井:汚い話になりますけど、若手のときに結構大きなバラエティ番組の前説を担当したんですが、その収録スタジオに向かう途中に大きい方を漏らしてしまったことがあって(笑)。

 そのときは、さすがに「どうしよう……」ってなりましたね。

 結局、帰ってる時間もないんで公衆トイレで全部洗って、ズボンもパンツもビショビショな状態で現場に行きましたけど(笑)。ま、それも大丈夫なわけじゃないけど、大丈夫ではありましたよね。

 やっぱり人間どんなに「うわー!」ってテンパっても、最終的にはやれることをやるしかないんで。

――そうですね(笑)。結局、落ち着いて次の行動を考えていくしかないですね。

徳井:そうなんですよ。だから、ある意味で感情に流されるってすごくムダなことで。

 痛み、怒り、悲しみ、焦り……そういう感情の波はなるべく立てないように。そのためにも、いつも心構えをしておく。

――ここまでお話をお聞きしていると、物事を冷静に捉えて分析される徳井さんは『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』の本がなくとも大丈夫な人なのでは? なんて思ってしまうところもあるのですが。

徳井:いやいや、自分で言うのもなんですが、僕の意見ってだいぶ偏ってるなっていう自覚があるんです。「こうしたほうがいいよ」と思うことはたくさんあるんですが、それを誤解なく多くの人に伝えるのはすごく難しいなと思っていて。

 だから、いつもボケっぽく笑い話として伝えていますけどね。この本のように世の中の真理を、誰にでもすんなりと受け止められる言葉で綴られているのは、本当にすごいなって思います。

「いつか終わりが来るから大丈夫」。平成ノブシコブシ徳井が語る独特の死生観とは?

――なるほど。では、大丈夫なふりをしている人へ、徳井さんなりのメッセージを届けるとしたら?

徳井:そうですね。「いつか終わりが来るから大丈夫」でしょうか。

 いずれにしても、どのみち人生に終わりは来るので。

 本当に大丈夫じゃないときって、死んで終わりじゃないですか。例えば「そのエンディングが見えなくて怖い」というのであれば、自分の考えられるかぎりのスーパーバッドエンディングを考えてみたらどうかと。

 僕なんかは閉所が怖いので、首から下をコンクリートで固められて死ぬまでその状態にさせられるのが、相当やばいなって思うんです。そういうのを1週間に1回くらい考えていますね。

 でも、とりあえず今の生活をしてる限り、そんな状況にはならなさそう。

 おそらく、この先も自分が想定する最悪な状況よりは、マシなエンディングを迎えられるはずだから大丈夫!って、やっぱり僕の意見は偏ってますね(笑)。

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