分譲マンションより割安?「テラスハウス」のお買い得度を検証写真はイメージです Photo:PIXTA

最近、2階建ての長屋「テラスハウス」の新築分譲が増えている。面積と価格を考えると、分譲マンションよりも割安に思える。果たして、テラスハウスは「お買い得」なのか、検証した。(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)

新築分譲が増加中
「テラスハウス」とは

 最近、テラスハウスの新築分譲が増えている。テラスハウスを見つけたのは、新築として販売されるマンションを全物件評価・格付けしている関係で、「五反田にしては随分安いマンションだな」と思ったことが最初だった。五反田駅の山手線の内側は城南五山といわれる高台の上の高級住宅地がある。相場でいえば、70平方メートルで1億円ほどだ。

 テラスハウスのホームページを見てから、現地に行ってみた。島津山の中腹にその物件はあった。いい立地である。それが、専有面積70平方メートルで分譲価格8000万円なのだから、安いと思える。この物件を買ったら値上がりするのではないかとも考えた。

 そもそも、「テラスハウス」がどういうものかというと、昔でいう長屋建てに相当するものだ。2階建ての戸建てが、隣の戸建てと戸境壁を共有して連なって建てられている。鉄骨造りのメゾネットタイプのアパートに近い外観になる。1つの土地に連棟で4戸あることをイメージしたら近いだろう。これがマンションの扱いになるなら、格安なマンションということになる。

 土地が共有になっていて同じ屋根の下に住んでいるので共同住宅でもあり、マンションに似ている。しかし、テラスハウスは分類するならマンションではなく、戸建てと同じ扱いになる。そこで戸建て相場と比較して見ると、相場通りということになる。結果的に割安な物件ということにはならない。

テラスハウスは割安か
資産価値を検証

 先日も、世田谷区のテラスハウスが割安に思えるという人から、この物件を買ってもいいかという相談を受けた。相談内容はこういった内容だ。