五輪・パラリンピック選手村として活用された『晴海フラッグ』の分譲マンションが、高倍率で完売し話題となりました。首都圏では新築マンションが極めてよく売れ、価格も高騰する中、今は買い時なのか? また、給与所得者の平均給与が433万円と依然低水準の中、手が届かない一般層はどこに住めばいいのか? そこで編集部では、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)の著者でマンショントレンド評論家の日下部理絵さんと、近著『ここまで変わる!家の買い方街の選び方』(祥伝社新書)が話題の不動産プロデュース業を展開する牧野知弘さんのお2人に、賢いマイホーム選びをテーマに対談していただきました(対談実施日:2021年12月3日)。全7回にわたってお届けします。バックナンバーはこちらからどうぞ(構成/北野啓太郎)。

一体誰が買っているの!? 首都圏の新築マンション価格が高すぎる!Photo:Adobe Stock

五輪・パラリンピック選手村マンション『晴海フラッグ』第3期、
最高倍率は、なんと111倍!

一体誰が買っているの!? 首都圏の新築マンション価格が高すぎる!牧野知弘(まきの・ともひろ)
東京大学経済学部卒。ボストンコンサルティンググループなどを経て三井不動産に勤務。J-REIT(不動産投資信託)執行役員、運用会社代表取締役を経て独立。現在はオラガ総研株式会社代表取締役としてホテルなどの不動産プロデュース業を展開。また全国渡り鳥生活倶楽部株式会社を設立。代表取締役を兼務。講演活動に加え多数の著書を執筆している。祥伝社新書に『なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか』『空き家問題』『不動産で知る日本のこれから』『不動産激変』などがある。

日下部理絵(以下、日下部) 新築住宅の価格がバブル期並みに上がっています。一方で、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は433万円と変わらない(*1)。「一体どうやって買えば良いんだ!?」というのは、多くの方が気になっているところでしょうね。

*1 国税庁:令和3年9月発表「民間給与実態統計調査」より

牧野知弘(以下、牧野) まったくその通りですよね。東京23区の新築マンションの平均価格が8000万円を超えてくる中で、世帯の平均年収は1995年をピークに下がったままで回復しない。

日下部 とはいえ最近では、東京五輪・パラリンピック選手村として活用された『晴海フラッグ』(東京都中央区)の分譲マンション第3期の販売で、最高倍率が111倍、平均が8.7倍の高倍率だったと報道され話題になりました。

牧野 433万円の年収で8000万円を超える住宅というのは手が届かない水準にあるのに、『晴海フラッグ』に代表されるような都心の物件が、極めてよく売れている。この現象をどういうふうに見るか、というのは気になるところでしょうね。日下部さんはこの現象について、どのようにお考えですか?