サイゼリヤのワインはグラスで100円。デカンタでも200円という驚異的な価格設定だ。「100円のワインなんてとても飲めるもんじゃないだろう」と思う人はとんだ勘違いをしている。サイゼリヤの安価でおいしいワインの提供は、驚くような企業努力によって実現されているのだ。(イトモス研究所所長 小倉健一)
サイゼリヤのワインが
100円でもおいしい理由
みんなが大好き(!?)サイゼリヤは、「イタリアンワイン&カフェレストラン サイゼリヤ」が正式名称だ。
サイゼリヤ創業者の正垣泰彦会長も「ワインは僕のビジネスの原点」というように、前面に売りとして掲げているワインの値段は、グラスワインが税込み100円。デカンタ(250ml)でも税込み200円だ。グラスワインを2杯飲んでも、その辺りにあるカフェのコーヒー1杯より安いという驚異的な価格設定と言っていい。
「100円のワインなんてとても飲めるもんじゃないだろう」
半端な食通ほどこういうことを言いがちだが、それこそ「ワインは高価な飲み物であるべき」との「思い込み」というもの。しかもそうした高価なワインはいわゆる「熟成ン十年」のヴィンテージものが主だ。しかし、サイゼリヤが提供するフレッシュワインは、同じワインでもこうした「熟成もの」とは全く「別物」なのである。
実際、軽くてフレッシュな飲み口のサイゼリヤのグラスワインは、家庭的ともいえるやさしい味わいのサイゼリヤのメニューによく合う。そして食事のメニューと同様、安価でおいしいワインの提供は、驚くような企業努力によって実現されているのだ。