経営の神様と称される稲盛和夫氏に「あなたが飲食店を開くならどんな店にしますか?」という質問をしたことがある。その答えは、「ランチにマグロ丼を出すすし店」という興味深いものだった。その理由とは?(イトモス研究所所長 小倉健一)
経営の神様・稲盛和夫氏に
「飲食店の経営論」を聞いてみた
「脱サラして飲食店を経営したい」
「早期退職制度に応募して割高の退職金をもらったから、地元に戻ってカミさんと一緒に小料理屋でもやろうか」
人生100年時代の生活設計として、そんな将来を思い描く人もいるだろう。カフェでコーヒーを飲みながら、そば店で新そばをすすりながら、「自分ならもっとこういう店にするのにな」などと夢想することもあるはずだ。
日本を代表する経営者でもあり、ソフトバンクグループの創業者である孫正義氏、アリババグループの創業者であるジャック・マー氏など、名だたる経営者が尊敬してやまない経営の神様・稲盛和夫氏。その稲盛氏に「もし一軒の飲食店を任されたら、どう経営するか」という質問を私の取材インタビューでかつてしたことがある。
「稲盛さん、あなたがカフェや飲食店を開くならどうしますか」などという質問を、「経営の神様」に対してする私も私かもしれないが……。
しかもそれが「ランチにマグロ丼を出すすし店」だというのだから面白い。いったい、どんな発想なのか。