ハワード・シュルツ氏は今回、スターバックスにコーヒーをちょっと飲むために立ち寄るだけだとしている。1987~2000年に米コーヒーチェーン大手である同社を巧みに統率し、再び08年から9年間にわたりトップとして経営手腕を発揮したシュルツ氏は、4月4日付で暫定的に最高経営責任者(CEO)に復帰することになった。ケビン・ジョンソンCEOの後任探しを進める間の「期間限定」だ。シュルツ氏は難しい時期に古巣に戻る。スターバックスは株価が昨夏の高値より31%安の水準に沈んでおり、労働組合結成への動きやインフレに悩まされている。今夏までに米国内従業員の平均時給を17ドル(約2070円)に引き上げる予定だ。昨年10月と今年1月には米店舗の値上げを実施した。ジョンソン氏は先月、「年内を通じて価格設定を巡る追加の行動を予定している。これはコスト圧力を和らげる上で重要な役割を果たす」と投資家に伝えた。ファストフード大手のマクドナルドやダンキンといった他社の商機につながるかと考えるのは自然なことだ。両社ともスターバックスより前からある老舗チェーンだが、スターバックスの魔力の一部をわがものにしようと後からエスプレッソ飲料に進出した。「Fastfoodmenuprices.com」によると、ダンキンの「ダンカチーノ」(ミディアムサイズ)の価格は約2.09ドル、マクドナルドの「フラッペ」(同)は2.89ドル。一方、それに最も近いスターバックス商品の「フラペチーノ」(グランデサイズ)は3.95ドルとダンカチーノを約90%、フラッペを37%、それぞれ上回る。
スタバ復帰のシュルツ氏、難注文さばけるか
インフレや労組結成の動き、中国がCEO三度目となるシュルツ氏の試金石に
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