ロシアは2020年、それまで秘密とされてきた核兵器使用に関するドクトリン(核抑止政策の基礎)の詳細を初めて明らかにした。このドクトリンは、米国の戦争計画立案者らが以前からうすうす感づいていたこと、つまり通常兵器による戦争での敗北を回避するためならロシアは核兵器の使用をいとわないということを確信させるものだった。ウラジーミル・プーチン大統領は、自らの指揮下で軍が先月ウクライナに侵攻して以来、米国と北大西洋条約機構(NATO)に紛争への介入を思いとどまらせるため、ロシアが核保有国であることを強調し、繰り返し核戦争の脅しをちらつかせてきた。しかしロシア軍が、西側諸国からの大量の武器供与で強化されたウクライナ軍の激しい抵抗に直面する中、米国やその同盟諸国の政府の間では、ロシアが戦況を好転させる目的で、いわゆる戦術核の使用を検討するのではないかとの懸念が高まっている。
苦戦ロシア、戦術核に頼る恐れ 米欧で懸念高まる
繰り返し核兵器に言及し恐怖をあおるプーチン氏
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