「借金1.5億円の男」と聞いて、皆さまはどう思いますか?

ネガティブな感想を抱く人がほとんどですね。ほとんどの日本人は《借金=悪》と考えますが、実際は真逆です。借金には正しい借金と悪い借金があります。正しい借金であれば、それは未来に行くタイムマシンです。つまり「不動産のローンを組んだ」と言う友人にかける言葉は「タイムマシンGETおめでとう」です。

ここで本日の主役の登場です。彼はゆうし君。とてもマジメです。ゆうし君は会計の知識である財務三表を勉強しました。財務三表とは会社や個人のお金の状況を数値で測るものです。

・PL(損益計算書):利益。いくら稼いだかを表す。売価から原価や費用を引いたもの。
・BS(貸借対照表):資産。何を持っているかを表す。表の左と右の合計額は同じ大きさ。純資産と借金の割合も分かる。
・CF(キャッシュフロー計算書):お金の流れ。収入と出費。工場の投資などの考え方。株の配当金も。

バランスシート(貸借対照表。以下BSと略す)と言われても、私も初めての時は「BS? なにそれおいしいの?」と思っていました。最初は誰でもちんぷんかんぷんなので安心してください。難しそうに聞こえますが、シンプルに理解しましょう。

BSでは左側を借方、右側を貸方といい、左右の金額は釣り合っています。また、資産が「自己資金」か「他人から借りた資金」か可視化されています。

仮にあなたの友人が1億円の不動産を持っているとします。BSを理解していないと、「1億円の不動産を持っている! すごい!」で話が終わってしまいます。正しくBSを理解していると「1億円の不動産ローンで買った」のか「1億円の自己資金で買った」のか「5000万円は不動産ローンで、残りの5000万円は自己資金で買った」のどれかが一目でわかるのです。

いわゆる「純資産」のことだけを資産だと思っている人が多いのですが、そんなことはありません。不動産や株のように、家賃収入や株価上昇などでお金を生むマシンを資産と呼びます。健全にお金を生んでくれるのであれば、借金をしてでも早く手に入れた人が30年後に大金を手にします。つまり借金(ローン)とは未来へ行くタイムマシンであり、《借金=資産》なのです。

南 祐貴(みなみゆうき・セカニチ)
借金とは未来へ行くタイムマシン

Koru-workers株式会社 代表取締役。
1989年東京都調布市生まれ。2012年に大手広告代理店に入社、約6年勤めて、自由になるため退職・起業。クラウドファンディングなどで資金を集めて高輪ゲートウェイ駅近くに宿泊施設「Koru Takanawa Gateway」をオープン。同時に、経済や投資をわかりやすく解説する「#世界最速で日経新聞を解説する男(セカニチ)」を開始。生放送コミュニティ・オンライン学習サービスの「Schoo」では、国内最大級6200本の授業から「ベスト授業&ベスト先生」の2冠に輝く。本書が初の著書。各SNSで毎日情報発信。インスタグラムのフォロワーは2万人以上。『世界一面白くてお金になる経済講座』が初の著書。