株投資シミュレーターで腕磨く米若者ILLUSTRATION: EMIL LENDOF/WSJ, ISTOCK

 ロバート・リーツさんがこれまでに行った最高の投資は、2021年に高校の投資大会に参加したときの株取引だ。

 株式市場のシミュレーターで1カ月のリターンを競う大会で、リーツさんは可能な限りリスクが高い投資の一つとして、偽物のお金で10万ドルをゲームストップの株とオプションに投じた。約2000%のリターンを上げて優勝したが、残念ながら賞金はなかった。

「(シミュレーターが)非常にリスクの高い投資判断を奨励した感じだった」。ニューヨーク市の大学生で現在20歳のリーツさんはそう話した。「私の初めての投資は要するにギャンブルだった」

 本物の投資を始める前に模擬ポートフォリオの管理を経験する若者が増えている。ウィブルというプラットフォームでは、模擬取引を行うZ世代のユーザーの割合が2025年に約11%となり、22年から2倍以上になった。

 模擬取引は紙とペンの時代から行われている。模擬取引によって人々は投資の仕組みを理解し、本物のお金を危険にさらさずに学ぶことができる。しかしデジタル時代の模擬取引はハイリスク・ハイリターンの賭けを試す実験室にもなり得て、アプリ上で取引を行うことをより一層ゲーム感覚のようにしてしまう側面もある。

 インデックスファンドを購入して長期保有するという、ファイナンシャルアドバイザーが推奨する投資手法をまねてもワクワクしない。実際、ウィブルのプラットフォームで行われている模擬取引の3分の2近くはオプション取引だ。ウィブルは、リスクの理解に役立つ教育用の資料をユーザーに提供していると述べた。

 株式市場のシミュレーターと実際の株取引の両方を提供するサイトによれば、シミュレーターが実際の株式投資の顧客創出に役立つことがあるという。子どもや10代の若者向けの投資プラットフォーム「グリーンライト」によれば、模擬取引を試す家族はその他のユーザーと比べて、その後、株式を購入する確率が約4倍高いという。